はじめに
お金は私たちの日常を便利にし、生活を豊かにする手段として欠かせません。
しかし、お金がすべての価値基準になってしまうと、本来の目的ややりがいを見失うことがあります。
今回は「資本主義のメガネ」を外し、お金との新しい向き合い方を考えてみて頂きたくて、この記事を書きました。
お金の3つの役割
大昔は人間は物々交換で生活していました。
物での交換を便利にするための道具として『お金』ができたと言われています。
お金には大きく分けて以下の3つの役割があります。
- 保存:財産を形として残すための手段。
- 尺度:物やサービスの価値を測る基準。
- 交換:商品やサービスを得るためのツール。
これらの役割自体に問題はありませんが、現代社会では「お金が多いほど価値が高い」と考えられる風潮が強まり、結果として人々の幸福感が薄れてしまっていると思います。
お金中心の考え方のリスク
「人の価値」をお金で測る社会では、年収や職業がその人の価値を決定づけるように感じられます。
「年収何億円プレイヤー」「年俸いくら」というフレーズが多く使われることで、あたかも人間の価値が数値化できるように錯覚してしまうのです。
しかし、人の価値は年収や学歴だけで決まるものではありません。
それは一部の要素にすぎず、本当に大切なのは、どれだけ周りに良い影響を与えられるか、どんな形で社会に貢献しているかです。
このような視点が欠けると、次のような弊害が生じます。
- 自己肯定感の低下:お金を稼げない自分に対して劣等感を抱く。
- 過剰な競争心:他人と比較し、終わりのない競争に巻き込まれる。
- 内面の喪失:本当に大切にすべきこと(家族や友人との時間、趣味など)を見失う。
働きがい改革の必要性
物質的に豊かな社会で感じる「心の欠乏感」を埋めるためには、価値観の転換が必要です。
品川駅に掲示された「今日の仕事は楽しみですか?」という看板は一時的に批判を浴びたものの、現代の働き方を見直すきっかけとして非常に重要だと思っています。
この問いは、多くの人が仕事に対する満足感を再考する機会を提供しているな〜と私は思いました。
「働き方改革」が進んでいますが、働き方よりも「働きがい改革」に目を向けるべき。
単に効率や生産性を追求するのではなく、人が仕事を通じてどれだけの意義や満足感を得られるかに焦点を当てる必要があります。
例えば、仕事を通じて他者と深く関わり、社会に貢献できる環境を作ることが求められます。
シャドーワークとは?
シャドーワークって知っていますか?
シャドーワークとは、直接的にお金には結びつかないものの、社会や家庭を支えるために必要な仕事を指します。
たとえば、家事や子育て、子ども会やPTA、自治会、掃除や不燃ごみ当番などのボランティア活動などが含まれます。
今は夫婦、共働きが当たり前の時代ですが、仕事をする旦那様と家を切り盛り専業主婦だと、稼いでくる旦那様の立場が上となりがちですが、専業主婦の労働もなくてはならない仕事なんです。
「見えない労働」として軽視されがちですが、その価値は非常に大きいものです。
研究によると、専業主婦が家庭で行う労働を金銭換算すると、年間で約155万円相当になるとされています。
しかもパートに出て収入を得ている主婦なら、この数字にプラスされます。
フルタイムなら旦那様と接戦になるんじゃ・・・
この数字からも、シャドーワークが社会にとって欠かせない役割を果たしていることがわかります。
日常に取り入れる新しいお金観
お金との向き合い方を変えるための具体的な方法をいくつかご紹介します。
- お金以外の価値を見つける
- 家庭や友人との時間、健康、自然の美しさなど、お金で買えないものに目を向けてみてください。
- たとえば、週末に公園でピクニックをするなど、シンプルな楽しみを見つける習慣を作りましょう。
- 感謝のリストを作る
- 毎晩寝る前に、今日あった「お金に関係ない良いこと」を3つ書き出しましょう。たとえば、「道で知らない人に親切にされた」など、小さな喜びに目を向けることが大切です。特に睡眠中に寝る前に書いた言葉が脳にインプットされていきます。この習慣が幸せ脳を作っていき、ストレスに対する耐性ができてきます。
- 適度にギブ(与える)する
- 自分の持つ知識やスキル、時間を他人と分かち合うことで、新たな喜びやつながりを得られます。自分の尊敬する人や目標とする人たちの中に自分の身を置くだけでも、大きな影響を受けます。緊張する、気負ってしまう、場違いなんじゃと思われがちですが、本当に有能なプロな方々ほど、解りやすく丁寧に説明してくれます。加えて、いろんな立場の人の言葉や意見に耳を傾けてくれます。自分の言葉で自信を持って、ギブ(与える)してみてください。
資本主義のメガネを外す
「資本主義のメガネ」を外してみると、これまで見えなかった新しい価値観が浮かび上がります。
お金の役割は、保存、尺度、交換の3つですが、現代ではこれが暴走し、「お金が全て」という風潮が強まっています。
たとえば、人の価値を「年収」や「肩書き」で測ることが当たり前のようになり、本当に大切なものを見失いがちです。
しかし、注目すべきは「お金では測れない価値」です。
例えば、家族や友人との時間、健康、趣味に費やす時間などです。
こうした価値を再認識することで、心の豊かさを取り戻すことができると思っています。
結論
物質的な豊かさが心の豊かさを保証するわけではありません。
孤独やうつ病の増加は、現代社会が抱える深刻な課題です。
「今日の仕事は楽しみですか?」という問いに「はい」と答えられる未来を目指し、働き方だけでなく生き方そのものを見直す必要があると思います。
お金を手段として捉え直し、心の充実を優先する人生を目指しましょう。
それが、一人ひとりのウェルビーイング(心と体の健康)を高める鍵です。
最後まで読んで頂きありがとうございました!ナマステ。